自動券売機のメーカーについて
このページでは各社の自動券売機について、私がメーカー区分の判断基準としている箇所をクローズアップしてご紹介しています。自動券売機を製造している主なメーカーと機種については
こちらをご覧ください。
前ページでご紹介したとおり、券売機のうち東芝のものは見た目の違いが明らかですが、その他の日本信号・オムロン・高見沢の券売機は一見非常に似ており、判別が難しくなっています。しかし、取材を続けていくうちに各メーカーごとに特徴的な部分を見つけることができ、外観で大体のメーカーの特定ができるようになりました。
傾斜型およびタッチパネル式券売機におけるメーカー判別のチェックポイントは硬貨・紙幣の投入口や乗車券の発券部分が集まっている機体下部にあります。
傾斜型の券売機は接客面を斜めにすることでボタンや硬貨・紙幣投入口の位置を下げることで背の低い方(特に子供)や車椅子を利用している方に使いやすいというメリットがあります。調べてみると1994年に阪急電鉄において東芝製の傾斜型券売機が設置されているようで、他社もおおむねこれと同じくらい時期に開発されたものと推測されます。
初期の傾斜型券売機はすでにタッチパネル式券売機による淘汰の対象となっているようで、特にSFカードやICカードの導入が行われている社局では急速に数を減らしつつあります。
日本信号
東京都交通局
ボタン部分との段差がなくすっきりしたデザインになっています。硬貨投入口や紙幣投入口の配列も現在普及しているタイプとは異なります。
主に都市圏の鉄道においてSFカードの導入が盛んになった1996年ころから普及したタイプです。このころからユーザビリティーの視点から投入口や乗車券の取出し口の位置が統一されてきています。製造時期によって硬貨の一括投入が可能になっている機種もありますが、外観上の違いに大きな変化は見られません。
発売券種の増加に対応するために登場したタッチパネル式は、JR東日本が東京近郊の駅に導入したものが始まりであるようです。それ以前にも相鉄の緑園都市駅に設置された事例もありますが、本格的に導入されたのはごく最近になってからです。初期のタッチパネル式は傾斜型の操作部分をタッチパネル式に設計変更したマイナーチェンジのみにとどまっているようで、目の不自由な方の操作するテンキーが追加された以外は傾斜型と大きな差は見られないようです。
現在の各社の最新機種です。発売券種も普通乗車券だけでなく定期券や各種企画乗車券を発売できる「マルチタイプ」となっています。
ご覧の通り、メーカーによって券売機下部の形状に大きな違いがあることがお分かりいただけたと思います。これ以外にも相違点や、OEM生産を行っているメーカー(東芝と高見沢など)間の違いがあるかもしれません。これからも取材を続けていく上で判別のポイントになる箇所がありましたらご紹介していこうと思います。
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