駅務機器のメーカーについて
2005年7月20日公開
はじめに
 当サイトでは駅務機器(自動券売機・自動改札機)の分類方法として、メーカー別の分類方法を取り入れています。メーカーの見分け方として一番簡単なのは機体に掲げられている「メーカーズプレート」、またはそれに順ずる社名ロゴで判断する方法がありますが、鉄道会社、主に公営地下鉄についてはメーカーズプレートの表示を省略するケースが多く、判断に迷ってしまう場合があります。
 しかしながら駅務機器をよく観察してみると、一見同じように見えてもメーカーごとに細部の違いを見出すことができます。当サイトでご紹介する際も、見た目の違いからメーカーを特定してご紹介している場合もあります。とは言え、特に自動券売機では機械自体をOEM供給していたり、最近では複数のメーカーで共同開発しているケースもあり、必ずしも見た目も違いがメーカーを特定する要素とはなりえないケースもあるのですが、当サイトで重要視している「外観の違い」による分類としてご理解いただきたいと思います。
 なお、当サイトで「垂直型券売機」としてご紹介している券売機についてはメーカーごとの違いを見出すのはサンプル数が少なくなっていることもあって難しいため、ここで紹介させていただくのは自動改札機および「傾斜型」と「タッチパネル式」の券売機に限らせていただきます。
主なメーカーとメーカーズプレート
 まずは駅務機器を製造している主なメーカーとそのメーカーズプレートについてご紹介していきます。メーカーとしては駅務機器の分野で日本国内のほとんどのシェアを占める日本信号株式会社(以下「日本信号」と略)と株式会社オムロン(以下「オムロン」と略)があり、他に神鋼電機株式会社(以下「神鋼電機」と略)・株式会社東芝(以下「東芝」と略)・株式会社高見沢サイバネティクス(以下「高見沢」と略)などがあります。
 メーカーズプレートはその会社のロゴマークがあしらわれており、中には東芝やオムロンのように我々に身近な家電製品も扱っているメーカーのものは、駅務機器以外でも見かける機会がありより分かりやすいのではないかと思います。
日本信号
 鉄道会社では主に東日本での大きなシェアを持っているようです。
自動券売機
自動改札機
オムロン
 駅務機器を初期のころから手がけており、日本全国に広く採用されています。
自動券売機
自動改札機
東芝
 定期券や特急券など、特殊な券種の専用機では大きなシェアを占めています。
自動券売機
自動改札機
神鋼電機
 自動券売機のみを製造しています。
自動券売機
高見沢サイバネティクス
 自動券売機のみを製造しています。
自動券売機
メーカー別の判断ポイント
 それでは実際にメーカー別の違いを見分けるポイントをご紹介していきます。各メーカーにはいくつか機種がありますが、どのメーカーも技術革新(SFカードやICカード対応など)でだいたい足並みをそろえて新機種の開発が行われているようですので、それぞれの世代別(判断基準は独自の基準によるものです)にご紹介します。
自動券売機
 券売機については、一番分かりやすいのが東芝の券売機です。東芝の券売機は傾斜型デザインの採用以降、独自のデザインを一貫して採用しており、見た目にも分かりやすくなっています。
傾斜型(1)
阪急電鉄
全体的に接客側が斜めになっており、すっきりとしたデザインとなっています。
傾斜型(2)
東京メトロ(定期券発売機)
投入口部分の傾斜角が緩やかになっています。
タッチパネル式(旧型)
舞浜リゾートライン
タッチパネル式(新型)
大阪モノレール
 その他のメーカーの自動券売機の違いについては別ページでご紹介しています。
自動改札機
 改札機のうち、現在普及しているバーレスタイプ(当サイトで各メーカーの「新型」とご紹介しているタイプ)については見た目の違いが明らかです。
東芝製
東京メトロ
日本信号製
名鉄
オムロン製
京成
 バーレス改札機の1世代前の機種(当サイトで「旧型」とご紹介している機種)についてはこちらをご覧ください。
おわりに
 ご紹介した判断基準は私が各社の駅務機器を取材してきた中で見出したものですが、一見同じように見える各社の駅務機器にも違いがあることがお分かりいただけたと思います。ただし冒頭にもご紹介したとおり、外観の違いが必ずしもメーカーを特定する要因にはならないようで、当サイトにおいてはあくまで「外観の違いを代表的なメーカー名を使ってご紹介している」ことをご理解いただければと思います。
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